名もなき毒 宮部みゆき 2013年06月25日 名もなき毒2006年 幻冬舎←実物をご覧いただきたい方はこちらのリンクの推理コレクションをクリックしてください。ざっくりあらすじ愛犬と散歩中の老人が、その途中に寄ったコンビニで買ったウーロン茶を飲んだ直後に死んでしまう。青酸カリが混入していたからだ。被害者の娘(シングルマザー)と孫娘(高校生)。犯人と疑われる娘と、母に反発しながらも気遣う孫娘。もうひとつの物語の柱は、杉村三郎の所属する社内報編集室をトラブルで退社したアシスタント原田いずみ。退社後も執拗にクレームをつけてくる。この二つの人たちを中心に、元刑事の私立探偵と人気ルポライターと杉村三郎の妻と娘がからみ事件の謎解きが進められていく。毒は、人の心の中にある。人の心の中にある毒は人を振り回す、自己チュウなものから、無差別殺人を企てる物まである。名もなき毒はいまの世の中の闇の部分を描き出しているように思う。数年前に起こった秋葉原の無差別殺人や、未成年で無免許の青年が、小学生の列に突っ込んだ事故。身勝手な自己中心的な考え(心の毒)が、無関係な人を振り回した挙句殺人などに発展していく。また、名もなき毒は、映像化もされます。TBSで、放映されます。見てから読むか、読んでから見るか。 [0回]PR