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特定の作家を取り上げますが、取り上げる作家は、好きな作家さんです。 だから偏ってます。
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戦国時代のとある小村に、尼子氏の家臣だった8人の落武者たちが財宝とともに逃げ延びてくる。最初は歓迎していた村人たちだったが、やがて毛利氏に
よる捜索が厳しくなるにつれ災いの種になることを恐れ、また財宝と褒賞に目がくらみ、武者達を皆殺しにしてしまう。武者大将は死に際に「この村を呪ってや
る!
末代までも祟ってやる!」と呪詛の言葉を残す。その後、村では奇妙な出来事が相次ぎ、祟りを恐れた村人たちは野ざらしになっていた武者達の遺体を手厚く葬
るとともに村の守り神とした。これが「八つ墓明神」となり、いつの頃からか村は「八つ墓村」と呼ばれるようになった。
大正時代、村の旧家「田治見家」の当主・要蔵が発狂し、村人32人を惨殺するという事件が起こる。要蔵は、その昔、落武者達を皆殺しにした際の首謀者・田治見庄左衛門の子孫であった。
そして20数年後の昭和23年、またもやこの村で謎の連続殺人事件が発生することとなる。物語は、寺田辰也の身辺をかぎ回る不審人物の出現から始まる。彼は母一人子一人で暮らしてきて、戦争に行き、戻ってくると、天涯孤独の身となっていた。そして復員後2年近く過ぎたある日、彼をラジオで捜す者があり、諏訪弁護士の仲介で彼の元に老人と面会する。ところが、二人きりになったとたん、老人は血を吐いて死ぬ。
私こと屋代寅太は、某私立大学で知り合った仙石直記から相談を持ちかけられた。去年の10月3日にキャバレー「花」で狙撃事件を起こしたのは、腹違いの妹である古神八千代だと言うのである。
狙撃の理由は、八千代宛に届いた3通にわたる奇妙な手紙にあるようであった。去年の夏ごろ届いたその手紙には、「われ東京へ来たれり。近く汝と見参せん。……汝夜歩くなかれ」と、古神家の内情に精通している者しか知らないはずの八千代の夢遊病のことが書かれていた……。
そうして私が仙石に連れられて小金井の古神家の屋敷に赴いたその夜、八千代がキャバレーで発砲したせむしの画家の蜂屋小市か、同じく佝僂で八千代の異母兄の守衛の、いずれとも判別できない佝僂の首なし死体が発見される。しかもその血まみれの現場には、夢遊病の発作を起こして歩き回ったと思われる八千代のスリッパの跡が残されていた。
終戦から1年経った昭和21年9月下旬。金田一耕介は、引上げ船
内で死んだ戦友・鬼頭千万太(きとう
ちまた)の手紙を届けるため、千万太の故郷・獄門島へと向かっていた。瀬戸内海に浮かぶ獄門島は封建的な因習の残る孤島で、島の漁師の元締めである鬼頭家
は、本家の本鬼頭(ほんきとう)と分家の分鬼頭(わけきとう)に分かれ対立していた。金田一は、千万太が息絶える前に残したある言葉が気に掛かっていた。「俺が生きて帰らなければ、3人の妹達が殺される…金田一が島を訪れたその日を境に、島では凄惨な連続殺人事件が巻き起こる。
島に着いた金田一は、本鬼頭に客として迎えられ、千万太の死を告げた。島では、復員兵が海賊として出没するという噂が広まっていた。この日、供出さ
れていた千光寺の釣鐘が島に戻り、千万太の従兄弟である一(ひとし)の戦地での無事が知らされた。本鬼頭家には千万太の妹3人と一の妹の早苗が住まい、こ
れを千光寺の和尚・了念、村長の荒木、医者の幸庵が後見していた。
金田一は千光寺に宿泊中、本鬼頭の先代、嘉右衛門の書いた3首の俳句屏風を目にする。「むざんやな 冑の下の きりぎりす」「一つ家に
遊女も寝たり
萩と月」の2首は読めたが、残りの1首が判読できない。その日、千万太の葬儀が行われた後、末妹の花子が行方不明となり、了念和尚の指示で捜索が行われ
た。金田一は分鬼頭での聞き込みを終え、寺に戻る途中、先を行く和尚の提灯の火を目で追って歩いた。寺に入った和尚はすぐに外へ飛び出すと、寺の近くまで
来ていた金田一を呼ぶ。寺の庭では、花子が足を帯で縛られ、梅の古木から逆さまにぶら下げられて死んでいた。金田一は、和尚が「きちがいじゃが仕方がな
い」とつぶやくのを耳にする。
昭和12年岡山県の旧本陣の末裔・一柳家の屋敷では、長男・賢蔵と久保克子の結婚式が執り行われていた。式には一柳家から賢蔵の母・糸子、三男・三郎、次女・鈴子、分家・良介と、久保家から克子の義父・銀造が顔を揃えていた。式は、鈴子が琴を披露するなどして、何事もなく終了した。
その夜遅く、屋敷内にただならぬ悲鳴と、激しい琴の音が響き渡った。銀造らが夫婦の寝室である離れへ駆けつけると、夫婦が布団の上で血塗れになって警察による捜査の結果、前日の夕方、怪しい3本指の男が訪れ、賢蔵に手紙を託したこと、それを見て彼が顔色を変えたことなども判明し、古い怨恨の存
在が示唆される。さらに、駅前でその男が一柳家の所在を尋ねたことは、既に家人が知っていたことだった。そのため、3本指の男の行方が注目されるが、その
日以降の足取りが全くつかめず、捜査は暗礁に乗り上げる。銀造は独自の捜査のために金田一耕助を呼び寄せる。
金田一はやって来るなり、三郎の本棚いっぱいの探偵小説に興味を示し、彼とマニア的な会話を交わす。それから事件現場を調べ、庭のあちこちに、たと
えば庭木を支える竹の節が抜いてある、幹に鎌が刺さっているなどの奇妙な点が見られることを指摘する。その夜、またも琴の音が響き、事件現場で大けがをし
た三郎が発見される。そこには、あの3本指の指紋が残っていた。