オイディプスの刃 赤江爆 2013年05月05日 オイディプスの刃1974年 角川書店http://" title="オイディプスの刃">ざっくりあらすじ瀬戸内に面したある旧家に一口(ひとふり)の太刀がやって来た。資産家である主は刀剣収集家としても著名な人物で、若く美しい妻は調香師として香水の研究を続けていた。旧家に来た南北朝時代の太刀をめぐり、ラベンダーの香りのする邸宅の中で、様々な惨劇が繰り広げられる。そして長い時が過ぎ、生き残って大人になった3人の兄弟たちにこの妖刀はまたも惨劇をもたらすのだった。言わずと知れた、赤江氏の代表作です。映画化もされました。妖刀が血を欲したのか、次々と人が死んでいきますが、悲惨さがなく、耽美的で、美しさが漂います。ギリシャ神話のオイディプスは、父とは、知らずに殺してしまい母とは、知らずに関係してしまう、悲劇の人。それと、同じような、ことが、登場人物の上にも起こります。読み終わった後、妖刀の輝きとラベンダーの香りが印象に残ります。赤江氏を堪能したい人は、読むべき一冊です。 [0回]PR