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探偵の推理部屋

特定の作家を取り上げますが、取り上げる作家は、好きな作家さんです。 だから偏ってます。

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獣林寺妖変

獣林寺妖変
1971年 講談社
獣林寺妖変 (講談社文庫)http://" title="獣林寺妖変">

ざっくりあらすじ
獣林寺は、血天井を擁する禅寺である。調査が行われ、調査の結果、古いはずの人血の中から、強力なルミノール反応を持つものが現れたのである。ある科学つまり死後一ヶ月程とみられる新しい血痕だ。努は歌舞伎俳優である。大学専門部卒業と同時に歌舞伎界入りした、四年目にようやく一本立ちして名題役者の仲間入りしたものの、外の世界から飛び込んだ彼に、本興行でほとんど役らしい役がつくことはない。そういう世界である。崇夫も努とともにそんな道を辿ってきた同志だった。崇夫は名題役者のプライドを捨てて『明木屋』の門を叩き、部屋子となる。女形だけが歌舞伎の魔の中心に近づけるんだ、俺はこの眼でそれが見たいんだ、あの光の中心に、あのまばゆいものの真ン中に何があるのか、どうしても知りたいんだ、と崇夫は言った。そして、彼はいきなり歌舞伎界から消えた。「この血天井のなかに、女の流した血があるのだろうか?」という言葉を努に残したまま。あの血痕は崇夫のものではないのか、と。そして彼は、崇夫の後を追わざるを得なかった。努は『乙丸屋』の愛人たちを追い、彼らの身体の中に、愛撫の内に『乙丸屋』の魔を求める。それは皆、行方をくらます前に崇夫がなしてきたコトだった。。魔に魅入られて、努も立ち上った。

題材は、歌舞伎の世界。外からでは、わからないことだらけの、芸術の世界。そこで、つてのない、若者二人が飛び込んで、魅入られた一人が、魔のど真ん中に足を踏み入れ行方不明となる。その真相を求めて、魔の渦の中と、自分も戻れなくなると承知で踏み込んでいく。血天井と歌舞伎を結び付け妖艶な世界へと引き込んでいく。二人が魔に魅入られていくが、いつも間にか読者も魔に魅入られていく。読み終わったとき、自分もこの世界に、踏み込んで行ってしまうのではないのかと錯覚してしまう。赤江ワールドへようこそ



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オイディプスの刃

オイディプスの刃
1974年 角川書店
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ざっくりあらすじ
瀬戸内に面したある旧家に一口(ひとふり)の太刀がやって来た。
資産家である主は刀剣収集家としても著名な人物で、若く美しい妻は調香師
として香水の研究を続けていた。旧家に来た南北朝時代の太刀をめぐり、
ラベンダーの香りのする邸宅の中で、様々な惨劇が繰り広げられる。
そして長い時が過ぎ、生き残って大人になった3人の兄弟たちにこの妖刀は
またも惨劇をもたらすのだった。

言わずと知れた、赤江氏の代表作です。映画化もされました。
妖刀が血を欲したのか、次々と人が死んでいきますが、悲惨さがなく、
耽美的で、美しさが漂います。ギリシャ神話のオイディプスは、父とは、知らずに殺してしまい
母とは、知らずに関係してしまう、悲劇の人。それと、同じような、ことが、登場人物の上にも起こります。読み終わった後、妖刀の輝きとラベンダーの香りが印象に残ります。
赤江氏を堪能したい人は、読むべき一冊です。

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ニジンスキーの手

ニジンスキーの手
1970年 小説現代
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ざっくりあらすじ
若くして亡くなった
天才舞踏家ニジンスキーの再来と騒がれた弓村高
スパイの容疑をかけられ日本に帰国して風間と再会した
高は、ニジンスキーの牧神の午後の様な振付を依頼する
一頭の神の振り付け
風間は、高にニジンスキーの様な影を感じる
そして、ニジンスキーに魅入られたのは・・・

この本を読み終わったとき、赤江ワールドに、魅入られたのは、私でした
妖しく、美しく、毒々しい世界
赤江爆の世界は、麻薬です
切れると、禁断症状が出ます
出来ることなら手に取らない方が…

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