忍者ブログ

探偵の推理部屋

特定の作家を取り上げますが、取り上げる作家は、好きな作家さんです。 だから偏ってます。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


獄門島

獄門島
1947年 宝石
http://" title="獄門島">

ざっくりあらすじ

終戦から1年経った昭和21年9月下旬。金田一耕介は、引上げ船
内で死んだ戦友・鬼頭千万太(きとう
ちまた)の手紙を届けるため、千万太の故郷・獄門島へと向かっていた。瀬戸内海に浮かぶ獄門島は封建的な因習の残る孤島で、島の漁師の元締めである鬼頭家
は、本家の本鬼頭(ほんきとう)と分家の分鬼頭(わけきとう)に分かれ対立していた。金田一は、千万太が息絶える前に残したある言葉が気に掛かっていた。「俺が生きて帰らなければ、3人の妹達が殺される…金田一が島を訪れたその日を境に、島では凄惨な連続殺人事件が巻き起こる。


島に着いた金田一は、本鬼頭に客として迎えられ、千万太の死を告げた。島では、復員兵が海賊として出没するという噂が広まっていた。この日、供出さ
れていた千光寺の釣鐘が島に戻り、千万太の従兄弟である一(ひとし)の戦地での無事が知らされた。本鬼頭家には千万太の妹3人と一の妹の早苗が住まい、こ
れを千光寺の和尚・了念、村長の荒木、医者の幸庵が後見していた。


金田一は千光寺に宿泊中、本鬼頭の先代、嘉右衛門の書いた3首の俳句屏風を目にする。「むざんやな 冑の下の きりぎりす」「一つ家に
遊女も寝たり
萩と月」の2首は読めたが、残りの1首が判読できない。その日、千万太の葬儀が行われた後、末妹の花子が行方不明となり、了念和尚の指示で捜索が行われ
た。金田一は分鬼頭での聞き込みを終え、寺に戻る途中、先を行く和尚の提灯の火を目で追って歩いた。寺に入った和尚はすぐに外へ飛び出すと、寺の近くまで
来ていた金田一を呼ぶ。寺の庭では、花子が足を帯で縛られ、梅の古木から逆さまにぶら下げられて死んでいた。金田一は、和尚が「きちがいじゃが仕方がな
い」とつぶやくのを耳にする。



見立て殺人の作品である。昭和の田舎の本家とか分家とかのしきたりがバックにあり、昔の家は、長男が後を取り家を守る、という考えが、厳格に守り継がれている時代の話である。今では、起こりえない事件で、古いしきたりに取りつかれた人が亡霊に取りつかれて起きた殺人事件で、殺された三人の娘は、そんな時代遅れのしきたりの犠牲者でもしかしたら犯人もそうなのかもしれない

拍手[0回]

PR

美神たちの黄泉

美神たちの黄泉
1975年 角川書店
美神たちの黄泉 (角川文庫)http://" title="美神たちの黄泉">

ざっくりあらすじ
「坂村調右エ門氏刺さる。K座 血みどろの仁木弾正」新聞の見出しを足立健祐は呆然と見つめていた。

7年前の夏、中国山脈の山間、藤芽歌舞伎発祥の地の芝居小屋に、脇腹に匕首をのんだ仁木弾正が現われ、そしていま、立役者坂村調右エ門の極めつけの仁木弾正が、血をしたたらせてK座のスッポンからセリ上がって来たのだ。美しい肉体を糧に生きる青年と、血みどろの仁木弾正の奇妙な因縁。
『美神たちの黄泉』『万葉の甕』の二編は歌舞伎界をテーマに、『黒潮の魔軍』『草薙剣は沈んだ』『カツオノエボシ獄』は海をテーマに書かれている短編小説です。

どの作品も、華やいだ表の顔の裏に暗闇があり、闇があるから光が存在する。
その闇の部分に足を踏み入れてしまう者が、存在する。
表の顔が美しく妖艶であればあるほど、闇の部分は、暗く逃れられないものとなる。
一読するに値する一冊だと思う。

拍手[0回]


犬墓島迷犬ルパンスペシャル

犬墓島 迷犬ルパンスペシャル
1984年 光文社
http://" title="犬墓島">

ざっくりあらすじ
文英社が新しい雑誌「MANWOMAN」を創刊するために、ミステリー作家牧薩次がフォトノベルを書くことになった。犬が主体で、戦時中犬を実験用に使い
その怨念が篭っているという瀬戸内海の犬墓島で顔合わせを行うことになった。犬墓島は人口8人、南側に民宿2件、北側に文英社の別荘で管理を委託された溝
沼親子が住んでいる。

牧薩次、迷犬ルパン、飼い主朝日正義刑事、その恋人川澄ラン、女優の近江由布子、その亭主の中込攻、「MAWOMANN」編集長堂本、文英社の他の雑誌で
活躍する佐貫、新谷、可能克郎記者、可能の妹キリ子、、文英社出世株の若手井崎総三が峰岸船長の操縦する虎岩丸に揺られながら到着。

別荘に到着すると台風が近づいているのか天気は荒れ模様。天気予報を聞こうとラジオをつけるといつにまにか電池が抜き取られている。遅れてくることになっ
た瓜生真に電話を入れると「そちらで、恐ろしいことが起るような気がします。」と言った後、切れてしまい、後は通じない。そして金色屏風には「浜辺の歌」
と「サンタマリアの祈り」

今、青い空に、鐘は鳴り渡る/鳩は乱れ飛ぶ/君よめざめておくれ…

そしてルパンの異様な咆えぶり。峰岸夫婦の三つになる女の子サッチャンが小犬のスピッツもろとも二ヶ月前波に攫われて死んだと言う。スピッツの首についていた鈴の音がどこからか聞こえる。チリーン、チリーン。キリコとランがお風呂に行くとおかしな人物がのぞいている様子。

翌日井崎が行方不明。皆で探すと崖の下に倒れていたのだが、行ってみると死体がない!。そしてその後にカミソリガイが一つ。溝沼老人のつぶやいた「間違いじゃが仕方がない。…」の語が妙に気になった。

その老人の話で島には別荘から浜辺に出る抜け穴があることが分かった。しかしその詳細が記されていると言う「犬墓村縁起」はこつぜんと姿を消した。井崎が
消えた謎を追って翌日全員で探検、抜け穴を見つけたが早くもルパンが感電するなど前途多難。それでも進むと行く手に釣り鐘の群れ。どうやら戦時中軍が金属
徴収の一環として集めたが、終戦になり、そのまま放置されたものらしい。井崎は崖下に小さい傷を受けて倒れていた。

どうやら文英社が多数を巻き込んでおこしたドッキリカメラ的芝居と分かったが、またしても悲鳴。悲鳴のの後を追って釣り鐘の場に戻ると、今度は別の死体!なんとそれは文英社の伊達社長ではないか。その下からは鳩の死体…・。

作家の辻真先は、4,50代の人なら懐かしいアトムやらひみつのあっこちゃんなどいろいろのアニメの脚本を手がけた人です。こちらは、迷犬ルパンスペシャルとあるように三毛猫ホームズのパロディで、横溝の獄門島の出だしをなぞって書いてありパロディっていて、辻作品の出演者(探偵諸君)総出の作品です。こちらを読んでから、元作を読むか、元作よんでからこちらを読むか・・・
また、迷犬ルパンシリーズもたくさん出ていてどの作品も読みやすいです。

拍手[0回]


三毛猫ホームズの推理

三毛猫ホームズの推理
1978年 光文社
http://" title="三毛猫ホームズの推理">

ざっくりあらすじ

羽衣女子大学の学生が殺害される事件が発生した。血を見るのが苦手で女性恐怖症というダメ刑事・片山義太郎は捜査一課長・三田村繁に命じられて羽衣女子大学に出向き、文学部長・森崎智雄と話をするが、その被害者が売春を行っていたこと、そしてそれが組織的なものであることから、その内偵のために羽衣女子大学に潜入することとなる。


森崎の飼い猫であるホームズ、そしてここの学生である吉塚雪子も片山に協力することになるが、そんなある日、森崎が殺害されてしまう…。


言わずと知れた三毛猫シリーズの第1作目です。読みなれない人でもすんなり読めます。
何度でもテレビ化しています。
70年代は石立鉄男が片山を、80年代は三浦洋一が、90年代は陣内孝則、記憶に新しい2012年版は、相葉雅紀が演じています。相葉版は。原作にない兄が出てきてます。原作とテレビの違いを楽しむのもありだと思います。



拍手[0回]


七年目の脅迫状

七年目の脅迫状
1983年 講談社
http://" title="七年麺の脅迫状">

ざっくりあらすじ
中央競馬会に脅迫状が届いた。「10月2日、中山第10レースの1番の馬を勝たせよ。この要求を受け入れなかった場合には……」最初に2億円のサラブレッドが、治療法のない伝貧(馬伝染性貧血)の犠牲になった。密命を帯びた中央競馬会保安課員・八坂心太郎が北海道へ飛ぶ。

またしても競馬界のお話。岡嶋さんらしく展開が早く読みやすかったです。競馬を知らなくてもすんなり入り込めます。絶版になったそうです。残念!!

拍手[0回]